シークレットサービス CAT隊員が信頼を置くKAC SR16E3 CQB MOD2.1を再現したMWSコンプリート
黎明期にはほぼミリタリーだけだったサバゲーもいまや、エアガンと装備の選択肢が広がり様々なオペレーターを再現するプレイヤーさんで溢れています。そんな中、いま注目の装備が シークレットサービス (USSS=United States Secret Service) です!
シークレットサービス と聞くと、スーツを着て要人警護するサングラスの人?とお思いでしょうが、いや全くもってその通りなんですが…。サバゲー装備としてお薦めしたいのはそちらではなく、特殊部隊のCAT(Counter Assault Team)やERT(Emergency Response Team)です!真っ黒なユニフォームと装備で身を固めた威圧的なスタイルは、我々が想像する法執行機関系の特殊部隊そのもの!
需要の高いミリタリー系と比べると装備を揃えるにも困難がつきまといますが、パッチや小物など少しずつ集めていくのも楽しみの1つと言えるのではないでしょうか。
ORGA AIRSOFTでは、そんなCATやERTが現行で使用するカービンライフル「KAC SR16E3 CQB MOD2.1」を東京マルイMWSベースで製作!ガスブロ コンプリートとしてそのままお楽しみいただけるようセットアップしました!その全貌についてご紹介しましょう!
KAC USSS SR16E3 CQB MOD2.1タイプ 東京マルイMWS ガスブロコンプリート
シークレットサービス 要望の特注?URXハンドガード
USSSが使用するKAC SR16E3 CQB MOD2.1は、MOD2ベースではありますがUSSSの要望により脱着しやすいM-LOKハンドガードに変更されているのが特徴。KAC(ナイツ・アーマメント)のURXハンドガードといえば、URX2以降専用工具が必要となるなど取り付けが非常に面倒くさい!カッコイイ反面、ご自身でエアガンのカスタムをされる方からは敬遠されがちなハンドガードでもあります。それはUSSSのメカニックでも同じだったようで…w
MOD2.1に採用されるハンドガードはURX5にあたるようですが、ミリタリーモデルのKSシリーズにはURX6が採用されていたり、MOD2.1ハンドガードをURX6.1と呼ぶトレーナーがいたり、正式名称はよくわかっていません。2024年現在、レプリカではAIRSOFT ARTISANからKAC URX MOD2.1タイプ M-LOKハンドガードとしてリリースされているのみで、当コンプリートでもこちらのハンドガードを使用しています。
星条旗の白彫刻印やスチール製クランプなど全体的なクオリティはバッチリ!シンプル過ぎる通常ラインのURXよりもこっちの方がお好みの人、多そうです。固定方法以外は、M-LOK系URXを踏襲したトップレール&7面M-LOKの基本設計に変更はありません。SR16E3 CQB MOD2.1では精度アップのため、レシーバーとハンドガードのトップレール部が凹凸で噛み合うようになっていますが、残念ながら既存のエアソフトパーツではそこまでの再現は叶わず…。
KAC SR16E3タイプ アンビレシーバー
このコンプリートを製作するきっかけとなったのは「OMG KAC SR16E3タイプ レシーバー」が発売されたことが大きいでしょう!パッと見、コルト系のレシーバー形状で刻印さえ打ち直せば作れそうにも見えますが、よく見るとマグキャッチやボルトリリースがアンビ仕様となっており、ここを再現したレシーバーキットがなかなか無いのが悩みのタネでした。
OMG製レシーバーはもちろんこの点をクリア!各部の刻印もしっかり再現しており、これはもうコンプリート化するしかないな!と。そしたら1箇所気づいてしまいました…アッパー左面の「CQB MOD2.1」の白彫刻印がないではありませんか。というわけで、ORGAコンプリート製作時にはしっかりと刻印を追加しております。
その他、キットに付属するセレクターはモデルが古いなど部分的に不満点もあったため、ANGRY GUN製の最新KACタイプに変更。色々なUSSS隊員の写真を参考にリアルさを追求しています。ついでに記載しておきますと、グリップは実物のMAGPUL MIADを装着。しっくりくる握り心地は最高です。
アウターバレルのサイズ感
アウターバレルについては特殊サイズとなっています。MOD2は11.5インチのはずなんですが…11インチハンドガードと組み合わせるとハイダーが少し引っ込むかたちになります。しかしこれではサプが付けられない。ARTISANのハンドガードのサイズが長いのか、MOD2.1は実は11.5インチではないのか、疑問は尽きませんがMWSコンプリート製作における選択肢は1つ。長めのアウターバレルをカットして、サプレッサー装着時にハンドガードとの隙間が僅かに空くよう調整しています。これはコンプリートでなければなかなか難しいカスタムです。
サプレッサーについては、USSS隊員に見られるMIDサイズのQDCサプがKACのカタログになく詳細不明で、サバゲー用レプリカもまだ作られていません。そのため、少々長いですがANGRY GUN製のQDC/CRS-PRTサプレッサーを装着しております。
内部パーツ
内部パーツ、と言いつつもエジェクションポートから覗くボルトキャリアは外観上のアクセントでもあり拘りたいもの。KACロゴ刻印有り無しの判断に非常に迷いましたが、鮮明な写真で確認できたSR16に刻印なしモデルが多かったのでシンプルに無刻印のORGAスチールボルトキャリアを選択。FRAノズルを組み合わせているため、レギュレーションに合わせた初速抑制も可能!PDI製WホールドチャンバーパッキンとORGA WIDE HOPテンショナーで集弾性の高さも実現しています。
トリガーボックスには安定動作、高耐久性のANGRY GUN ステンレス・スチール ドロップイン トリガーセットを使用。マルイ純正と違ってボルトリリースがアンビ対応となっているため、右側のボルトリリースレバーもライブとなります。
仕様
諸元
- 全長:サプ無 730/815mm
- サプ有 840/925mm
- 重量:サプ無 2,380g
- サプ有 2,580g
- パワーソース:HFC134a、HFO1234ze、CO2
使用パーツ
- OMG KAC SR16E3タイプ レシーバーセット アンビ仕様
- Airsoft Artisan KAC URX Mod 2.1タイプ 11inch M-LOKハンドガード
- ANGRY GUN KAC QDC/CRS-PRTタイプ サプレッサー BK
- ORGA MWS用 アルミアウターバレル
- KACタイプガスブロック BK
- IRON AIRSOFT カービンレングス ガスチューブ AR15/M4用
- Airsoft Artisan KACタイプ アンビチャージングハンドル
- ANGRY GUN スチール ダストカバー シルバースプリング
- IRON AIRSOFT M4 フォワードアシストノブ
- ANGRY GUN KACタイプ アンビセレクター
- 5KU KACタイプ トリガーガード(KAC刻印済み)
- 実物 MAGPUL ライフルグリップ MIAD GEN 1.1
- ANGRY GUN KACタイプ QDスリングマウント
- IRON AIRSOFT 6ポジションストックパイプ ガスブロ用
- DEFACTOR CTRタイプ ストック BK
- IRON AIRSOFT KAC マイクロサイトセット
- ANGRY GUN ステンレス・スチール ドロップイン トリガーセット
- ORGA スチール ボルトキャリア
- ORGA FRAノズルASSY
- ORGA 東京マルイMWS用 ボルトキャリア 組上げパーツ
- ORGA LEX05バレル 内径6.05mm 250mm(10.5inch)
- IRON Airsoft CNCホップアップチャンバー
- IRON Airsoft CNCホップアジャスター
- PDI Wホールドチャンバーパッキン 50度
- ORGA WIDE HOPテンショナー
- IRON AIRSOFT アルミ アジャスタブル リコイルバッファー
- ORGA バッファースプリング ノーマルタイプ
シークレットサービス CAT 及び ERT とは?
アメリカ合衆国 シークレットサービス は元々米国内の諜報活動を行う捜査機関として設立され、20世紀初頭から大統領及び大統領候補者の警護を担っています。現在ではほとんどの警察任務を別の機関に移行していますが、設立当初の目的である偽造通貨の捜査取り締まりを金融・通信インフラの保全という形に変え継続しているほか、我々が良く知る要人警護の任務に重点を置いています。サングラスとスーツに身を固めた特別捜査官は良く知られるところであり、USSS全職員のうち実に約半数がこれにあたります。
一方で、平常時はほとんど人目に触れることはありませんが、大統領や副大統領、大統領候補者、外交使節団などの警護にはSOD(特殊作戦部)所属の特殊部隊「CAT」が同行しています。警護対象者の移動時にはVIP車両の後方から別車両で追従し、公務や選挙運動の際には戦術的に展開して警戒にあたっています。
CAT隊員になるためには、特別捜査官としてUSSSでの1~2年程度の勤務経験と優秀な成績を収めつつ、FLETC(連邦法執行機関訓練センター)での33週間に及ぶ訓練を修了させる必要があります。ワシントン支局に再配属されたのちCAT隊員候補として選抜(応募制)されると9週間に渡ってCATの基礎訓練を受けますが、狭き門を抜けられるのは全候補者の中から僅か10%程度なんだとか。他にも特定の軍歴や法執行機関の戦術メンバー経験、トレーニング修了歴、アスリート経験など何かしらの強みを持っている必要があります。エリート中のエリートというわけですね。
そんなCAT隊員ですが、彼らが表舞台に出てくるのは警護対象者が襲われた時。よほどのことがない限りは人目にも付かないという隠密っぷりですが、2024年の大統領選にて登壇したドナルド・トランプ氏が襲撃を受けた事件は記憶に新しいことでしょう。この時はすぐさま特別捜査官がトランプ氏を取り囲んだのち、素早くCAT隊員が現れ追撃に備えた動きを見せています。事件そのものはあってはならないものですが、即応中のCAT隊員が報道カメラによって捉えらるという貴重な瞬間でもありました。また、CATの姿は2021年の議事堂襲撃事件でも見られています。
このように、有事の際に対応し時には犯人との交戦を行うのがCATの役目。襲撃者の無力化や警護対象者が避難するまでの時間稼ぎを行います。
ERTはホワイトハウスへの不法侵入者に対応するほか、命令を受けた際は警護対象者や警護会場、国家イベントに対して戦術的なサポートを行う特殊部隊。CATの様に特別な訓練コースを経る必要があるほか、細かい部分では異なりますがやはり特定の軍歴や法執行機関の戦術メンバー経験が必要で、条件が厳しいことに変わりはありません。CAT同様SODの部隊ですが、UD(Uniformed Division=制服部隊)の専門部隊の1つという位置づけになります。そのため隊員もHDの中から選出されます。
CATが警護対象者や警護部隊へのサポートに徹する部隊であるのに対し、ERTは特定の警備区画への侵入を阻止する役割を担います。
↑ひょっとしたらこの画像はCATかもしれない…。くらい素人目には区別が難しい。
所持する銃器もほぼ同じで装備的にも近しい両者ですが、マニアからすれば細かな違いをつけられるお楽しみネタでもあります。SR16E3 CQB MOD2.1タイプ 東京マルイMWSガスブロコンプリートがその一助になれば幸いです!